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家づくりに役立つコラム

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家づくりに役立つコラム

省エネな家づくりについて

 
前回のコラムでは「断熱性能」について解説しました。
今回は、その「断熱性能」と非常に関係性の深い「省エネ性能」について詳細に解説したいと思います。
 
この「省エネ」については、みなさんも気にしている方も多いかと思います。特に、近年の「エネルギー問題」や「カーボンニュートラル」というテーマも日常的に語られるようになり、暑い夏や寒い冬でも「電気代やガス代をあまりかけずに快適に暮らす家」というのは理想の家の一つだと思います。
 

省エネな家にするために

 
そこで、まずは「省エネな家にするためにやるべきこと」を整理していきたいと思います。
家で消費するエネルギーのカテゴリーは、以下のように6つに分類されます。
 

① 暖房設備
② 冷房設備
③ 換気設備
④ 給湯設備
⑤ 照明設備
⑥ その他の設備(家電など)
 

これらをそれぞれ省エネ化していくことが大事になるわけです。
※⑥については建築とは別の活用になるので、ここでは省くことにします。
 
地域によっても多少の違いはありますが、湘南エリアにおいては一般的に最も多く消費されるのが、①と②の暖房と冷房に関わるエネルギーです。ここをどうやって落とすかが、建築においてはとても重要なテーマとなります。
 
そのために、なんと言っても大事なことが断熱性能を向上させるということです。断熱性能については、前回のコラムで解説しましたので詳細はそちらをご覧ください。
 

 
UA値で表示される断熱性能を「等級6」や「等級7」などに向上させることで、冷暖房のエネルギーは少なくなります。
また、エアコン等の設備について、省エネ性能が高いものを設置することで更に効果はありますので、考慮しておくとよいでしょう。
 
あとは、もう一つ大事なことが、太陽熱のコントロールです。冬は暖かい日差しをできるだけ家の中に取り込むことで、自然の暖かさが生まれます。逆に、夏はいかに日差しをシャットアウトするかで、冷房の効果も変わります。
これは、南面の窓の「大きさ」や「ガラスの性能」「庇の設置」などの、設計的な要素が大きいことになります。数値としても夏における「ηAc値(イータエーシー値)」、冬における「ηAh値(イータエーエイチ値)というもので表示できます。窓については、UA値にも関係してくるので、設計の腕の見せどころでもあります。(南面の窓が大きいと冬は有利だが、UA値は下がる)
 

 
③については、熱交換機能がある換気設備と、そうではない換気設備で異なります。
前者の熱交換がある換気設備では消費エネルギーは増えるが、①②の冷暖房効率が良くなります。後者は逆に消費エネルギーは抑えられますが、冷暖房エネルギーが増えます。
これらを上手に考えて選択することも大事だと思います。
 
④や⑤については、単純にどんな設備を選択するかということになります。一般的なボイラー給湯器よりもエコキュートのようなヒートポンプ式の方が省エネですし、照明もLEDにするとかなり省エネになります。もちろん、建築コストも考慮する必要がありますので、これもしっかり考えて選択してほしいと思います。
 
これらの考え方を計算式にしたものが「一次エネルギー消費量計算」です。
 
性能表示制度の中でも使用される、日本のスタンダードな計算方法なので、これがどこまでのレベルになっているのかをしっかりとチェックしておいてほしいです。
 
この計算では、あなたの家の間取りや面積、設備仕様を入力すると、①~⑥までのエネルギーが自動で算出されます。それが、一般的な住宅に比べてどこまで削減されているか(削減率)もBEIという形で表示されるのです。
下記は参照例です
 

 
ちなみにこれの事例では、BEI0.7となっており、一般的な家より30%も省エネな家であるということがわかります。
 
このように、建物の断熱性能や設計手法、設備類をしっかりと考えて建てることで「省エネな家」が実現するということになります。
 

「太陽光発電」に対する考え方

 
建物自体はそれほど省エネでないのに、「太陽光発電」を設置しただけで「省エネな家」と呼ぶのは間違っていると私たちは考えています。建物そのものを性能や設計・設備により「省エネ」な家にした上で、初めて「創エネ」な設備である「太陽光発電」等を設置することで、大きな意味での省エネやカーボンニュートラルに貢献する家となるのだと思います。
 
ZEH(ゼロエネルギーハウス)やLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)など、太陽光発電を設置した高性能な省エネ住宅も増えていますので、ご興味のある方はそこもぜひ検討してほしいと思います。
 
しかし、ここで一つだけ注意してほしいことがあります。
前述した「一次エネルギー消費量計算」という計算手法は、部屋によって冷暖房エネルギーの発生量を設定しています。つまり、「リビング(主たる居室)が最もエネルギーが大きく、廊下やホールなどの非居室は消費エネルギーが少ない」という計算式となっているのです。
 
ということは、リビング面積が大きかったり、吹き抜けやリビング階段で2階と繋がっていたりすると、計算上は不利に働きます。なので、ハウスメーカーによっては、ZEHやLCCM住宅を達成するために、「わざとリビングを狭くして吹抜けをなくす」という提案をすることも多いそうです。
 

家のどこでも温度差のない快適な家とは

 
ラボワットでは、これと真逆の考え方が基本です。
「リビングは暖かいけど廊下に移動すると寒い」というような家ではなく、「家のどこに行っても温度差の少ない快適な家」、「ヒートショックが起こらない健康な家」を目指しています。
 

 
そういう意味でも、ベースの断熱性能を高性能なレベルにして、自然の太陽熱を設計でコントロールして、省エネな家を追求しています。
寒い冬でも、暑い夏でも、エアコンを付けっぱなしでも、電気代やガス代が少なくて済む、そして、家のどこも温度差の無い心地よい家を理想の家を考えているのです。
 
このような考え方にご興味いただければ、江の島ギャラリーにご来場いただき、家づくりのご相談いただければ幸いです。
お気軽にお問い合わせください。
 

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